迷わずに

聖書: マタイによる福音書 18章 10節~14節

2021年7月18日(日): 聖霊降臨節第9主日礼拝説教

 「心を入れ替えて子どものようにならなければ、決して天の国に入ることはできない(18:3)」。ただ弟子たちの関心事は、「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか(18:1)」ということでした。そこでイエスさまは、譬えを話されました。「一匹が迷い出たとすれば、九十九匹を山に残しておいて、迷い出た一匹を捜しに行かないだろうか(18:12)」。
 迷ったら残りの99匹を選ぶのが、社会や政治の常識なのかもしれません。ただ迷わずに1匹を選ぶのが、神さまの御心です。「これらの小さな者が一人でも滅びることは、あなたがたの天の父の御心ではない(18:14)」。だから、「これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい(18:10)」。ただそこには、見過ごすことのできない現実がありました。
 差別、偏見、ヘイト、一人を軽んじる罪のどれほど重いことでしょうか。排除、搾取、無関心、弱気を軽んじる現実のどれほど深いことでしょうか。「しかし、わたしを信じるこれらの小さな者の一人をつまずかせる者は、大きな石臼を首に懸けられて、深い海に沈められる方がましである(18:6)」。天の嘆きのどれほど重く深いことでしょうか。
迷ったら残りの99匹を選ぶのが、人間や大人の都合なのかもしれません。ただ迷わずに1匹を選ぶのが、神さまの福音です。「その豊かな慈愛と寛容と忍耐とを軽んじるのですか。あなたは、かたくなで心を改めようとせず、神の怒りを自分のために蓄えています(ローマ2:4-5)」。今こそ心を入れ替えて、謙遜と愛とに生きたいと願って止みません。