二羽の雀が

聖書: マタイによる福音書 10章 26節~31節

2021年4月11日(日): 復活節第2主日礼拝説教

 「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい(10:16)」。逆に言うと、わたしたちのどれほど愚かで頑ななことでしょうか。人を恐れるあまりに、なくてはならないものを見失っています。しかし、「体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな(10:28)」。
 『賢い(ギリシャ語:フロニモス)』という言葉は、三つの譬え話の中に出てきます。一つは、岩の上に家を建てた賢い人(7:24参照)。もう一つは、主人が留守のときも忠実な賢い僕(24:45-46参照)。最後は、ともし火の油を切らさない賢いおとめ(25:4参照)。目の前の現実に、どれほど打ちのめされようとも、「良い土地に落ちたのは、立派な善い心で御言葉を聞き、よく守り、忍耐して実を結ぶ人たちである(ルカ8:15)」。
 『素直(ギリシャ語:アケライオス)』という言葉には、『混ぜない』という意味があります。わたしたちは、色々なことをつけ加えて、自分の人生を複雑にしています。「あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つだけである(ルカ10:41-42)」。自分の命のことで何を食べようか、自分の体のことで何を着ようかと思い悩んだからと言って、それがわたしたちの魂の養いになるのでしょうか。
 耳のある者は聞きなさい。「二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない/だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている(10:29,31)」。わたしたちにとって大切なのは、神さまがそう思ってくださっている、ということです。