歩ませてください

聖書: マタイによる福音書 5章 43節~48節

2021年2月14日(日): 降誕節第8主日礼拝説教

 ある青年が、イエス・キリストに尋ねました。「永遠の命を得るには、どんな善いことをすればよいのでしょうか/そういうこと(律法)はみな守ってきました。まだ何か欠けているでしょうか(19:16,20)」。ここには、根本的な思い違いがありました。律法というのは、自分が天の国に入るためにあるのではなく、隣人と共に歩むためにあるのです。ここには、決定的に欠けているものがありました。それは、愛です。
 殺すな。「兄弟に『ばか』と言う者/『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる(5:22)」。罵る言葉は、時として人の命までも奪っていきます。姦淫するな。「不法な結婚でもないのに妻を離縁する者はだれでも、その女に姦通の罪を犯させることになる(5:32)」。罪に問われるのは、女性ばかりです(ヨハネ9章参照)。隣人と共に歩むために、わたしたちの言葉と社会に何が足りていないのでしょうか。
 偽証するな。「あなたがたは、『然り、然り』『否、否』と言いなさい。それ以上のことは、悪い者から出るのである(5:37)」。裁判における偽証は、その人の人生を狂わせていきます。律法というのは、社会的に弱い立場にある人々を守るためにあります。隣人を自分のように愛しなさい。「しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい(5:44)」。十字架の愛に、何の分け隔てもないからです。
 「だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい(5:48) 」。『完全(ヘブライ語:シャーレーム)』という言葉には、『成熟』という意味があります。神はいつも、愛の成熟を願っておられるのです。