雨と寒さを

聖書: 使徒言行録 28章 1節~5節

2020年9月27日(日): 聖霊降臨節第18主日礼拝説教

 「わたしたちが助かったとき、この島がマルタと呼ばれていることが分かった(28:1)」。何とか無事に上陸しましたが、雨と寒さに誰もが凍えて倒れそうでした。そこで島民たちが、火を焚いて一同をもてなしてくれました。島の人間として、嵐の海の怖さを知っています。難破した人々を助けるのは、島民として当然の行為だったのかもしれません。隣人を自分のように愛しなさい。人の痛みを、自分の痛みとすることができるならば、この世界はもっと優しくなるのではないでしょうか。
 「パウロが一束の枯れ枝を集めて火にくべると、一匹の蝮が熱気のために出て来て、その手に絡みついた(28:3)」。それでも、パウロが元気にしているので、島民たちは驚いてしまいました。振り返って、何度も危険な目に遭ってきました。飢えと寒さに眠れぬ夜を過ごしたことも、妬みと罵りに憂いの朝を迎えることもありました。ただこれまで多くの祈りと支えに、今日まで生かされてきました。ならば、「だれかが弱っているなら、わたしは弱らないでいられるでしょうか(Ⅱコリント11:29)」。
 「パウロはその家に行って祈り、手を置いていやした。このことがあったので、島のほかの病人たちもやって来て、いやしてもらった(28:8-9)」。祈りと癒しの業が、島民たちへの感謝のしるしでした。隣人を自分のように愛しなさい。今日を生かされていることに、感謝の思いを忘れることがなければ、この世界はもっと温かくなるのではないでしょうか。十字架の痛みに、わたしたちもまた、人の痛みの分かる者でありたいと望みます。