星も見えず

聖書: 使徒言行録 27章 13節~20節

2020年9月20日(日): 聖霊降臨節第17主日礼拝説教

 『吹く風が同じであっても、ある船は東へ行き、ある船は西へ行く。それを決めているのは風ではない、帆の向きである。同じように、人生という航海でその行く末を決めるのも、順風でも逆風でもない、わたしたちの魂の向きである(Ella Wheeler Wilcox、運命の風より)』。
 パウロは囚人としてローマに護送されることになりました。強い向かい風に悩まされたり、南からの追い風に励まされたり、それはまさに風任せの船旅となりました。自然というのは、人の都合に合わせてくれません。やがて『エウラキロン』と呼ばれる暴風に見舞われてしまいます。
 その船は、激しい暴風に悩まされて、十四日間も暗い海を漂流することになりました。「幾日もの間、太陽も星も見えず、暴風が激しく吹きすさぶので、ついに助かる望みは全く消えうせようとしていた(27:20)」。その間、誰もが飲まず食わずで過ごして、疲労もピークに達しようとしていました。
 「しかし今、あなたがたに勧めます。元気を出しなさい。船は失うが、皆さんのうちだれ一人として命を失う者はないのです(27:22)」。パウロは、主の言葉をもって船員たちを励ましました。「パウロ、恐れるな/神は、一緒に航海しているすべての者を、あなたに任せてくださったのだ(27:24)」。
 地の塩として誰かのために祈ることを、世の光として誰かのために励ますことを、主イエスは、わたしたち信仰者に任せてくださったのです。人生という名の航海にも様々な風が吹きます。ただどんな風の中にあっても、大切なのは魂の向きなのです。あなたの御名に委ねて祈らせてください。