また戻って

聖書: 使徒言行録 18章 18節~23節

2020年6月14日(日): 聖霊降臨節第3主日礼拝説教

 パウロの旅は、アンティオキアに始まり、アンティオキアに終わります。アンティオキアに戻って、4年に及んだパウロの第二回宣教旅行も、ここで一区切りです(18:22参照)。振り返って、すべてが自分の思い通りに行かなかった旅でした。この旅は、バルナバとの別れから始まりました。ただそれは、新しい出会いの始まりでもありました。シラス、テモテ、フィリピの姉妹たち、テサロニケの兄弟たち、アキラとプリスキラ、これほどの出会いを誰が予測できたのでしょうか。
 特に、福音書と言行録の著者であるルカとの出会いは、実に思いがけないものでした。エフェソへの旅を阻まれて、トロアスの港に足止めされました。この旅は、どうも計画通りに行きません。ただ幻の中に、一人のマケドニア人が現れ、「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください(16:9)」と願いました。この幻が、ルカ本人であったと言われています。こうして、思いがけずヨーロッパに渡ることになりました。これほどの計画を誰が予測できたのでしょうか。
 その後、コリントで1年半も滞在することになりました。彼らに福音を宣べ伝えながら、困窮するエルサレム教会への献金を集めました。パウロは、その献金を届けるために都に帰って行きますが、途中でエフェソの人々に引き止められます。しかしパウロは、「御心ならば、また戻って来ます(18:21)」と言って別れを告げました。『わが行くみち/いついかに/なるべきかは/つゆ知らねど/主はみこころ/なしたまわん(讃美歌463)』。この旅に、神の御心を思わずにおれません。