身を起こして

聖書: ルカによる福音書 21章 20節~28節

2018年7月8日(日): 聖霊降臨節第8主日礼拝説教

「エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近づいたことを悟りなさい(21:20)」。紀元70年、エルサレムは、ローマ軍によって壊滅させられます。多くの「人々は剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる(21:24)」。都を失い、多くの人々が、離散の民となりました。
「それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ(21:23)」。その戦争により、多くの女性たちと子どもたちが犠牲となりました。民間人に多くの犠牲者を出した沖縄戦を思い起こします。「諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る(21:25)」。美しい沖縄も、この世の地獄と化しました。
「全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか(マタイ16:26)」。だから、「山に逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ち退きなさい(21:21)」。沖縄にも、『命どぅ宝(命こそ宝)』という歌があります。命の尊厳が守られてこそ、真の平和が実現します。
しかし、世界中の至るところで、命が軽んじられています。このような世界に、「人の子が大いなる力と栄光を帯びて(21:27)」来られます。「このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ(21:28)」。苦難の先に、確かな希望があります。
雲の先に必ず青空があるように、この「希望はわたしたちを欺くことがありません/神の愛がわたしたちの心に注がれているからです(ローマ5:5)」。愛することに絶望を感じるときにも、平和への祈りに諦めを感じるときにも、この希望に信じて、身を起こして歩んでいきたいと願います。